あの「黄泉がえり」の17年後を描いた続編。
加藤清正まで蘇ります。


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「黄泉がえり」は名作でした
誰にだって、生き別れた人がいます
友達、恋人、ペット、両親・・・
だが、生物学の常識として、一度死んだものは復活をしません
そんなことを許したら、世界が混沌に巻き込まれてしまう
でも、復活して欲しいという願望はあるわけで、その読者の思いの琴線を揺さぶったのが前作でした
だから、たくさんの読者を獲得し映画化されヒットしました

本作は、その17年後
舞台は熊本
熊本地震の被害があった後の世界
またしても、同じような奇跡

死んだ人が蘇ります。

前作同様に、色んな人の視線で、蘇えった人の物語が描かれるのだが
前回は、みんな消えた中。一人だけ生き残った男の人がいた
その人の娘のいずみが鍵になってくる
いずみは、蘇り人と妻との子です
ハイブリッド的な存在です
彼女の通学地域、行動範囲で、続々と、蘇り現象が起きる
皆が彼女の存在を意識している

その中には、ありえない人たちまで復活する

加藤清正
ミフネ恐竜

加藤清正が出てきて、話しは面白くなってきました
だが、違和感もある
エンタメの為に、この物語の大切な流れを壊すのではという不安です
続編というのは、前作の流れの中に存在していて
それを手にとった読者は、ほとんどが、前作のファンなのだから
前作の世界観を意識して、その世界に浸りたいと思い読んでいる
つまり、感動を求めている
せっかく、蘇った。その大切な人との別れというラストに向かっているわけです。
加藤清正が、現代に蘇ったコメディは求めていない

話しが崩れるかと思ったら、この清正さんが上手く動いている。
崩壊した熊本城への哀愁と
熊本再建への市民の思いを
この歴史上の人物を通して垣間見ることができるという構造になっていた

お決まりのスーパー台風との闘い
黄泉がえり人の活躍で、台風を回避し熊本市民は助かる
そして、彼らは消えるのだが・・・

今回は、復活する
加藤清正、ミフネ恐竜・・・、皆、生き返る
ハッピーエンドです。

人の強い思いが蘇らせる
困難を可能にする
それがモチーフ

変なラストだが、そこに熊本も不死鳥のように復活するぜという作者のメッセージを感じた




ページ数 499
読書時間 11時間
読了 4/9