武藤吐夢 BLOG

読んだ本感想を書いています。 毎月、おすすめ本もピックアップしています。

2019年04月

みんなで夜に歩く。
それが、いつしか特別なことになり、ありえない奇跡を引き寄せるのだった。


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恩田陸は苦手だ
少しもおもしろくない
僕との相性は最悪だった
何で、ベストセラー作家なんか、よくわかんない

なのに、平成最後の本に
苦手というか、天敵の恩田陸を選んだ

夜のピクニック
タイトルが、ひっかかる

歩行祭
朝の8時に学校を出発し
翌日の朝の8時に戻ってくる
24時間(仮眠、休憩あり)
とにかく、歩きまくる
軍事教練の一つであろうか?
モンスターペアレントの攻撃材料になりそう
やばい
24時間歩きますかって
子供の頃見たリゲインのCMのようだ
ビジネスマーン、ビジネスマーン、ジャパニーズビジネスマーン。
時代に逆向しとる
今は、働き方改革の時代だぞ
コンプライアンス的に問題ありそう
教師の労働基準にも抵触しそう
というか、生徒が暴動起こしそう
歩け、歩け、歩け 
24時間歩くのだ!

何のために、こんなスパルタ行事をする?

それは楽しいからだ
みんな、この行事が好きだからだ
だから、やってる


いきなり、結論を言います
これは名作です
たぶん、令和の時代になっても
その次の時代になっても
人々を興奮させ、感動させる
そう、読むしかない作品です
すごかった
気がつくと、つんのめり、夢中となり
ページをめくっていた
自分が、知らぬ間に西脇融になっていた
甲田貴子を愛おしいと思うようになっていた
妹としてだよ
兄妹だからね

日常生活というのは、1つの物事を深く思考するのに適さない環境だと僕は思う

毎日のタイムスケジュールがあって
分刻みの忙しさ
家でも、食事、風呂、読書、Twitterの確認
いつも何かしていて、忙しくて、何かを真剣に考える
そういう環境ではない
昼飯は30分
それ以上かかると、次の予定が侵食される
たから、歩くのも早歩き
時間、時間、時間、時間・・・

むしろ、長時間連続して思考し続ける機会を阻害しているようにすら思える
意識的な排除だともいえる
何かに疑問を感じないようにしている
疑問を感じた瞬間、前に進めなくなるからだ
それがわかっているから、そうしている
わざと忙しくしている
深く物事を考えないために
それが大半の大人であると、僕は思っている

P73
・・・朝から丸一日・・・歩き続ける限り思考が一本の川となって、自分の中をさらさらと流れていく。旅行に出た時と同じ感じに・・・

いつもは、話さないようなことを
疲れた頭で答えることによって
隠していた本音が出たり、秘密が暴露されたり
日常とは違う、非日常の時の流れがそこには成立している

歩行祭を通過した印象は・・・
P97
過ぎてしまえば、みんなで騒いで楽しくて歩いていたこと、お喋りしていたことしか思い出さないのに、それは全体のほんの一部で、残りの大部分は、仏頂面で、足の痛みを考えないようにして、ひたすら前に進んでいたことをすっかり、忘れてしまっているのだ。

これって、まるで、僕たちの人生そのものではないか?
今、平成が終わろうとしているのだが
頭にあるのは、その大半を占める苦しかった受験勉強のことではなく、労働のことでもない
イベントごとのインパクトのある出来事ばかり
つまり、歩行祭は人生の縮図なのである

P414
「みんなで夜歩く。ただ、それだけのことが、どうして、こんなに特別なんだろう」

それは1200人のみんなが同じことを体験した
苦しみや楽しみや感動を共有したからであり
やりきったからだと思う

普通、24時間も歩いたりはしない
1時間であっても拒否するでしょう
それを全校生でやっていることが良い
意図はわかんないが
そのやり遂げた達成感なら想像できる
その疲れは、たぶん、すごく心地よいものだと思う

これは、西脇融と甲田貴子という異母兄弟のうち溶け合う話しなんだけど
この歩行祭という
設定がなければ、これほどに爽やかには描けなかったと思うんだ

今は、ちょっとしたことで、PTAが騒いだり
教師の労働時間がとややこしいが
こういう過酷な体験を共有することによって
得られる特殊な体験というのもあり
それは、たぶん、修学旅行よりも、もっと、得難い何か宝物のようなモノなのであって
部活を全力でやりきったとか、学祭で頑張ったとかと同じ
そこに自己の存在意義を刻み込むような
そのことによって、一気に成長するような
そういう出来事なのだと思う
それが歩行祭であり
この24時間なのである
読者は、それを主人公二人のフィルターを通して追体験できるというのが
この本の魅力なのです
良い本なのですよ
おもしろいです

ページ数 455
読書時間 約10時間
読了日 2018年 4/30 (平成最後の日)


【中古】夜のピクニック / 恩田陸
【中古】夜のピクニック / 恩田陸

今回もシュールな短編の数々。
ラストのどんでん返しが秀逸


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ネタバレ注意

不思議な国を旅するお話しです
短編集。
今回は、「アジン(略)の国」「道の話」「戦う人達の話」が面白かった

「アジン(略)の国」は、寿限無のように長い名前の国
子供が、国名をすべて暗唱しているのです
何で?
という疑問を抱えながら出国する
貧しいながら、いい国でした
その国を襲撃しようとしている男に出合う
昔、その国は1500人の人口がいた
1000人しか、賄えないのに
豊漁が続き、そうなったのだった
だが、漁獲量は元に戻る
水も足らない
強引に、500人をカット
つまり、他人に殺させた
その時の殺人を依頼された人間に救われた少年が男だった
その男は、復讐の為に戻ってきた
しかし、キノに国名を見てから、やるかやらないか決めては?
と提案された
彼は、復讐をしなかった
ただし、国名が微妙に変化した
その長い国名は、その粛正の時に犠牲になった人の名前だった
彼が生きていたことにより、その国名から彼の名前が消えたのでした。
その虐殺を永遠に忘れないため
その犠牲者の名前を国名としているのだ

「道の話」は、突然、キレイな道が現れた
国まで続いている
そこで歓待されている道つくりの集団にあう
彼らは、皆の為に何代にもわたって、色んなところに分かれて
この作業を行っているのだった
何故、こんなことをやるの?
とキノが聞く
この答えが、あまりにもダークすぎて
びっくりした
路は、他所の国との交流の懸け橋となり
国が発展し、科学技術が進歩する
そうすると、人類が滅亡するのが早まる
文明が進歩すればするほど
人類の絶滅が早まる
だから、道を整備するという
何ともダークな集団だったのだ


「戦う人達の話」は、アクションとしても、ミステリーとしても
人間物語としても、よく出来ていて
とても完成度が高く
ラストまで、その帰結がまったく想像もつかなかった
独立させて映画にしても面白いかもしれない

ページ数 257
読書時間 5時間
読了日 4/24

一度で二度も楽しめるSF作品でした。
お芝居にもなっています。


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演劇集団キャラメルボックスで上演された舞台に着想を得た作品(短編集)。
ヒア・カムズ・ザ・サン(Parallel)
ヒア・カムズ・ザ・サン

2作品とも同じ設定なのに、全く違う印象、読後感を味うことができます
これが、この本の特徴です

ヒア・カムズ・ザ・サンは、ミステリー風の切ない物語
ヒア・カムズ・ザ・サン(Parallel)は、どうしようもない父としっかりものの娘の物語

この作品は、7行のある役者の台詞がヒントになったのだそうだ
そこから、これを作れるんだから、有川先生の才能のすごさってのが
もう凄いってのがわかります

主人公の真也は、

何かに触れた時、不思議なものが見えたり聞こえたりすることが幼い時からよくあった
つまり、能力者

見えたり聞こえたりする、その「何か」は、どうやら、そこに残された「思い」らしい

触れたものは、2作品共通で、アメリカ帰りの父から、幼いころに別れた娘への手紙

そこに「会いたい」という強烈な思いが噴出していた。

ヒア・カムズ・ザ・サンの父親は、アメリカで大ヒット映画シリーズの脚本をして成功しているHALという人
Parallelの父親は、自称成功者の嘘つき親父

ヒア・カムズ・ザ・サンの父親は、以前、出演している動画と、目の前のHALが別人と判明する
ミステリーなので、ここまでしか語れませんが
この謎解き場面と、どうして、別人であるのかが鍵となります
すごく切ない話しです

Parallelの父親は、話しを盛る人で、娘からすると嘘つき親父
成功したのは嘘でも、「会いたい」気持ちは本物
最後に、本当の理由。会いたかった理由がわかります。
これも物語の鍵になる場面なので
語れませんが、嘘つき親父が語る真実は、読者に迫ってくる感情があって
僕は、Parallelの方が好きです

SF好きな人で、こういう変わった実験小説が好きな人は
たぶん、気にいって貰えると思います。

短編小説としても、2つとも読みごたえがあり
設定とは関係なく楽しめると思います。
いい時間が過ごせました。

ページ数 257
読書時間 5時間
読了日 4/21

この物語を読んだ後、あなたは、きっと、和菓子屋に行きたくなるでしょう。



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甘いものは、人を幸せにしてくれます。
一口で、気分が180度くらい変化いたします。
それが甘い物の魅力です。

デパ地下の和菓子屋さんでバイトを始めた アンちゃん
少しだけ、ぽっちゃりしてて、自分はモテないと思って、男子を避けている女の子です
これは、彼女の成長物語でもあります。

仲間のキャラが強烈
男っぽいが、接客が完璧な女性店長
元和菓子職人のお姉系の美男子
元ヤンの女子大生

彼女たちが売っている商品は・・・
和菓子です

何と言っても、この物語の魅力の中心は
和菓子でしょう
ここに描かれている和菓子が、とても美味しそうなのです
和菓子の世界を、わかりやすく細部まで丁寧に描かれています
だから、読んでいくうちに、和菓子の魅力にとりつかれていくのです

例えば「半殺し」という言葉があります。
一見、ヤクザにしか見えない、お客さんが吐き捨てて言ったセリフです
おはぎ について言ったのですが、その前にも、腹切りだの、こなし だのと物騒なことを言っていました。
このおじさんは、元菓子職人の先輩の立花さん
少しお姉系の美男子の師匠でした

P189
「半殺しというのはね、お米とか豆とか粒状の穀物を半搗きにすることを言うの。たとえば、秋田のきりたんぽなんかがそうね」
つまり、これは恫喝の言葉ではなく
おはぎ についての話しだったということなのです。

おはぎは、半分が米で、半分が餅
つまり 半殺し

このような感じで、物語は進行していきます。


前の店は、ケーキ屋さんでした。
ボヤ騒ぎがあった日、そこの店員さんがケーキを大量に持ち帰ります
アンちゃんが、彼女に話しかけると・・・
「兄が・・・」と
甘い物好きの兄さんがいるんだな・・・
と思っていたのですが、実は、この兄と言う言葉が曲者
デパ地下では、兄とは、売れ残りと言う意味
前に生まれ出たという意味です
ここに出店している店は、翌日の売れ残り(生鮮食品)は破棄するルールがあります
でも、このケーキ屋さんでは
売れ残った兄や、大兄(もっと前の売れ残り)まで売っていた
つまり、アンちゃんが不正を見抜くきっかけとなった

こんな風に、その業界独特の風習やルール、言葉がたくさん出てきて
なかなか面白いのです

僕が一番、好きなシーンは
辻占の話し
これは謎解きなのですが、その話しではなく
前振りの段階で、販売している辻占に占いが印刷されず白紙のまま入れてしまった
つまり、ミスがあったと判明したのです

この時の店長とアンちゃんの会話がいい

P324
「でも占いが白紙というのも、ちょっとおもしろいですよね」
「あら、何で?」
「未来が、自由って気がしませんか?」

そこに好きな文字を書き込めばいい
未来は、君が決めるのさ
誰かに決めてもらうもんじゃないんだぜ

そういうことなのです。
何か、本筋よりも、このアンちゃんのポジティブさに魅力を感じました。
和菓子好きには、おすすめの作品です。

ページ数 405
読書時間 8時間
読了日 4/19






満月にだけ開業するという<にじや質店>。
そこでは、願い事を叶えてくれる。


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にじや(虹夜) というのが店の名前
質屋です
昔、質屋は、通うには格好の悪いところだということで
隠語で呼ばれていたらしい

虹 = 7色 = しち
夜 = 屋

夜に見える虹は吉兆の証でもある。

この質屋の虹夜は、満月にのみ開業する
願い事を叶えてくれる店なのである
まるで、ドラえもん

狼男のような
ではなく、痩せた美男子が店主である

質屋だから、質草を差し出す
願い事を言う
利息として、何か大切なものを渡す約束をする

例えば、死んだ母親のおふくろの味が食べたいおっちゃんは
母親の食堂を自分の代で居酒屋にしたのだが、その店を差し出すと約束する

そして、願いが叶うという
4つの短編と
もう1つの物語
合計5つの短編だ

すべての作品が、愛に包まれていて
女性作家の優しい視線が、全体に、まるで初春の優しい太陽光のぽかぽかみたいに
全身を岩盤浴みたいに温めてくれて
読後感は最高なのだ。

最初の作品だけ、少しネタバレさせてみます

いろは という女の子が
男の人に、お金を貸した
この虹夜質店の名刺を渡されたので
満月の日に出向く。お金を返してもらうためである。
客と間違われ、願い事を聞かれる
子供の頃に死んだ、母から貰った何のかわからない鍵を取り出し
「これは何のカギですか?」と問う
それが彼女の願い事だ

それは、母親の鍵付き日記を開ける鍵だった。
父親には、死ぬ前に再婚してくれというようなことを言っていたが
そこに母親の本音が書いてあった
<わたしだけの 未知雄 さんでいて欲しい>
彼女のお母さんは、その言葉に鍵をかけて
娘に託したのだった。

小さい娘を残し、彼女には母親が必要となる
夫は、再婚するだろう
でも、本当は・・・
母親の女の部分を、その鍵付きの日記の中に封印していたのである

もしくは、この日記を読んだ彼女が
夫の新しいパートナーと
この日記を読むことで、上手くいかないこと
つまり、娘は自分だけの娘にしたいという願望があったのかもしれない

この最初の作品だけ、少し異質だが、この話しの幕開けとしては良かった気がする。
だって、結局は、娘や夫の為
母親は、自分が死んだら再婚してくれと口にし
それで彼女には、新しい母親とかわいい弟ができたんだもの
これは良い話しなんだと思う
本心を鍵付きの日記に封印するという
そこが感動ポイントなんだよ
何か、身体全体が熱くなる
そういう気分になるのだよ
そして、いい話しを読むと、少しだけ幸せになるのだよ


ページ数 243
読書時間 5時間
4/16 読了







里見八犬伝の現代版?。
おもしろかったが、これは別の犬人間の物語だと思う。


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ネタバレあり

小学生の頃、図書館で里見八犬伝を読んだ記憶がある。
内容は、姫様が犬の嫁さんになり、仁義がどうのこうの・・・。
つまり、はっきり覚えていません。

この物語は、里見八犬伝の現代版?。
贋作・里見八犬伝なのだそうです。
ジャンルとしては、ライトノベルファンタジー。
軽いです。アクション多めで、読みやすく、展開も早く面白い。

伏 鉄砲娘の捕物帳 として アニメ映画化されています。
監督は『千と千尋の神隠し』で監督助手を務めた宮地昌幸、脚本に『コードギアス 反逆のルルーシュ』の大河内一楼、ビジュアルイメージに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』でデザインワークスを手掛けたokama。なんか、すごい・・・。でも、聞いたことなかった。

主人公は、14歳の猟師の浜路。
軽い雰囲気の女の子ですが、銃を持つとゴルゴ13ばりのハンターに早変わり、凄腕です。
兄がいて、この二人で賞金稼ぎになる。

何を狙っているかというと・・・

伏という化け物。
これは犬人間です。

ここに、冥土新聞という瓦版屋の男 滝沢冥土 が加わります。
冥土は、里見八犬伝の作者、滝沢馬琴の息子で
冥土新聞は、犬人間の事件を追いかけた人気の紙読み物なのです。

伏(犬人間)とハンターのバトルの展開から、一転
滝沢冥土の書いた 贋作・里見八犬伝の世界へと移ります。

ここが、物語の核です。
里見八犬伝とは、一味違う、少しファンタジー色の強い
それでいて人間物語の色合いもある
かなり引き込まれた
ここだけで、いいと思う
犬人間発生のルーツが解き明かされていきます


次に、また、現代に戻ります。
そこで、玉梓の呪いの部分が歌舞伎によって明かされます。
この芝居の作者も 滝沢冥土
その演者の中に、女形の信乃がていて、犬人間
芝居見物をしていたハンターの浜路兄妹は、信乃の正体を見破り銃撃戦
江戸の街の地下に張り巡らされた地下道に、落っこちて 浜路と信乃のランデブーが始まる
その終着点は江戸城の天守閣の上。そこで激しいバトルという漫画のような展開の見せ場があり、そのままラストに・・・。

高校生や大学生のアクション好きの男子が読むと
「すごく、おもしろい」ということになると思います。
20代、30代の人になると、里見八犬伝と贋作・里見八犬伝の比較という楽しみ方もできるのかもしれません。
悪くはないし、楽しめるが、アニメ向きだなと思った。
活字で読むと少し不満足な感じになる。

ページ数473
読書時間 12時間

平成は、何の時代かと問われれば「震災」の時代となるのです。


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平成は、どんな時代かと問われたら
・戦争がなかった時代
・日本の経済力が衰えた時代
・自然災害が多発した時代
と答えると思う。

僕は、運よく自然災害の犠牲から逃れた。
関西の人間なのに、阪神淡路の大震災では、別の地におり
台風などの自然災害の被害も受けていない

この物語の主人公「彼」は、東北の震災の被害者だ。
彼が、水害の地である奈良の十津川をバス旅行する話し。

たいくつです。
バス停に停まると、解説みたいに地誌や歴史の説明が始まる
そこに、過去の悲惨な思いでが入ってくる

例えば、震災後、墓参りに行くと墓が流されてなかった。
地が塩の臭いがしたという感じだ。
墓って高台にあるでしょ
そこまで津波が来たってことですよね。

盲目の知人が、震災後、生き抜いた。
でも、仮設住宅にいた彼は、突然、どこかにいなくなる。

こういう話しが、たくさん。

何だか、やりきれなくなってくる。
たぶん、これは日本人の中に震災被害のDNAが残っているから
それとも震災が共通認識だからだろうか?

関西の年配の人が、良く言う
「テレビ見ていると、地震速報出るけど、あれ見ていると心臓がドキドキする」
トラウマだと思う。

僕には、東北地震で親と妹を亡くした知人がいる。
彼は、震災の後、故郷に行き
そのことを知る
でも、叔父さんだけは生きていた
その叔父さんが、半年後、忽然と仮設住宅から姿を消した
自分だけ生き残った罪悪感なのかなと知人は言う
この本を読んでて、この話しを思い出した。

日本人の中にある
災害に対する共通認識が
こういう災害文学を読むと
辛いという反応を引き起こさせるように思う

小説としては、おもしろくなかった。
でも、色々と考えさせられた。


ページ数 274
読書時間 6時間
読了日 4/11

あの「黄泉がえり」の17年後を描いた続編。
加藤清正まで蘇ります。


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「黄泉がえり」は名作でした
誰にだって、生き別れた人がいます
友達、恋人、ペット、両親・・・
だが、生物学の常識として、一度死んだものは復活をしません
そんなことを許したら、世界が混沌に巻き込まれてしまう
でも、復活して欲しいという願望はあるわけで、その読者の思いの琴線を揺さぶったのが前作でした
だから、たくさんの読者を獲得し映画化されヒットしました

本作は、その17年後
舞台は熊本
熊本地震の被害があった後の世界
またしても、同じような奇跡

死んだ人が蘇ります。

前作同様に、色んな人の視線で、蘇えった人の物語が描かれるのだが
前回は、みんな消えた中。一人だけ生き残った男の人がいた
その人の娘のいずみが鍵になってくる
いずみは、蘇り人と妻との子です
ハイブリッド的な存在です
彼女の通学地域、行動範囲で、続々と、蘇り現象が起きる
皆が彼女の存在を意識している

その中には、ありえない人たちまで復活する

加藤清正
ミフネ恐竜

加藤清正が出てきて、話しは面白くなってきました
だが、違和感もある
エンタメの為に、この物語の大切な流れを壊すのではという不安です
続編というのは、前作の流れの中に存在していて
それを手にとった読者は、ほとんどが、前作のファンなのだから
前作の世界観を意識して、その世界に浸りたいと思い読んでいる
つまり、感動を求めている
せっかく、蘇った。その大切な人との別れというラストに向かっているわけです。
加藤清正が、現代に蘇ったコメディは求めていない

話しが崩れるかと思ったら、この清正さんが上手く動いている。
崩壊した熊本城への哀愁と
熊本再建への市民の思いを
この歴史上の人物を通して垣間見ることができるという構造になっていた

お決まりのスーパー台風との闘い
黄泉がえり人の活躍で、台風を回避し熊本市民は助かる
そして、彼らは消えるのだが・・・

今回は、復活する
加藤清正、ミフネ恐竜・・・、皆、生き返る
ハッピーエンドです。

人の強い思いが蘇らせる
困難を可能にする
それがモチーフ

変なラストだが、そこに熊本も不死鳥のように復活するぜという作者のメッセージを感じた




ページ数 499
読書時間 11時間
読了 4/9







大沢在昌、作家生活40周年記念作品です。
パラレルワールド、警察、アクション・・・。


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「帰去来」。このタイトルの意味は、故郷に帰るために、官職をやめてその地を去ることなのだそうです。
ラストシーンが、そういうことなのかな。

SFの場合、まず、それがどういう設定なのかが気になります。
この作品は、パラレルワールド。
ある世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界をさします。
並行世界、並行宇宙、並行時空・・・。 

女刑事、志麻由子はおとり捜査中に、連続殺人犯に首を絞められ・・・・
別世界へ・・・
そこは「光和26年のアジア連邦・日本共和国・東京市」
戦後の荒廃した世界だった。
さらに、何故か出世している。いきなり警視です。
営業マンのチャラい元彼が、しっかり者の部下。
事情を話すと、すぐに味方になってくれる。すごく頼りになる。
周囲の主要人物はそのままなのだが
母親が死んでいて、殉職したはずの刑事の父親が生きているが
顔も年齢も違う(これが意味がある)

戦後の闇市のようなものがあり
「羽黒組」と「ツルギ会」という二大組織が牛耳っていて
それを、この志麻警視が潰そうとしていた。
双方に話しを持ち掛け、相討ちを狙っている。
これ黒沢監督の「用心棒」のオマージュだと思います。
ちょっと設定が古臭い
羽黒組の親分は、シャブ中で強面のいかにもであり
ツルギ会は、婆さんがトップで、三人の危険な息子がいるが、長男と次男は少し滑稽なところがある
何となく、ジブリ作品の天空の城ラピュタの女海賊ゾーラに見えてきた
人情味のある女ヤクザなのです。

当然、大沢作品なので警察小説です。
両組織を解体させる方向へと向かいますが
同時に、志麻警視の出生の秘密
どうして、前の世界と今の世界では、父親が違うのか
色々な伏線をラスト怒濤のような急激な展開で収集し
最後は、納得のいく答えが出てくるという仕組みになっています。
2つの世界を行ったり来たり、殺人鬼に生命を狙われる所も見せ場だと思います。

ミステリーなので、詳しくは語れません。察してください。

p435
「そうだ、時間の流れが歪んでいて、こちらよりも、もっと時間が速くすぎることもあれば、ゆっくりの時もある。2つの世界の流れはいっしょではない」

前にいた世界で、時系列がバラバラに殺人事件が起こっていたのですが
犯人のこちらでの状況と合致しないのですが
このセリフで、正当化してしまうという後半荒業まで見せ、すべてのバラバラに配置されていたパズルが
一応は、読者の納得いく形でおさまります。

人物造形が深く。展開も軽やかでエンタメ寄り。
読者を楽しい方向に向かって、どんどん誘導してくれます。
最後、200ページはトイレに行くのも忘れていました。
刑事ものとSFが同時に楽しめる良い作品だと思います。



ページ数 552
読書時間 14時間
読了日 4/6


 

ハイラインのSFの傑作。
彼の想像力は天才と言うしか、他の言葉では表現できない。



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ネタバレ注意


古典に分類される古い作品です。
書かれた時期も設定も古い。
ざっくり言うと、舞台は、1970年のアメリカ。2000年に、タイムリークするって話しです。
ドラえもんで言うと、勉強机の中にあるタイムマシーン
バック・トゥ・ザ・フューチャーで言うと、デロリアン
この物語では、冷凍睡眠という方法をとります
30年後ですよ
その直前に、アヘンを服用されるのですよ
凍死するでしょう

彼は、発明家で、1970年にロボットを作っています。
掃除用ロボットも作ります。
勝手に掃除をしてくれるのだそうです。
ルンバでしょ。


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この本の初版が、1975年ですから、予知能力に近いような想像力ですね。

2000年。つまり、30年後の未来。
僕らからすると遠い過去ですが・・・。
どんなイメージかというと、携帯電話はあったかなかったか
パソコンもあったかなかったか
よく覚えていませんね
20年前なんて大昔なのでわからん

この本で描かれている2000年は、ロボットが、普通に、会社で受付をしていて
病院にも介護用のロボットがいる。
風邪が撲滅している。
服や、色んな物も最新技術で、理想的です。

この時代、ネットがなかったのに
IOTに近い発想があるのが面白い。
スマホとか、ネットの発想が、すっぽり抜けているのですが、他の物で補完しているのが面白かった
人間の想像力を駆使して、この世界観を作り上げたという感じがします。
一番の面白ポイントは、この2000年の近未来です

未来新聞の描写ですが・・・
P142
写真は、多色刷りか、さもなければ黒白の実体になっている。
実体鏡を用いなくても立体的に見える・・・

3Dですね

偶然に、ぼくの手が新聞の右下に触れた途端に、新聞の表面がその端を起点にして、いきなり、くるくると巻き上がり・・・
・・・ここを触れるごとに、ページはいくらでもめくれるのだった。

仕組みが想像できん・・・

広告欄・・・
旅行に興味のある未亡人
同様の趣味のある成年男子を求む
目的、2か年契約結婚

1970年に戻った時の彼の感想・・・
P283
風邪をひいてしまった・・・、服というものが雨に濡れるということを失念していたのが原因だった。
その他、料理がすぐ冷めてしまう皿。洗濯に出さなければならないシャツ。使おうとすると必ず蒸気で曇ってしまう浴室の鏡。舗装されていない・・・泥道。
数えたてればきりがない。清潔で完全な21世紀の生活に慣れた僕には、1970年の世界は果てしない不便と面倒との連続だった。

本当の2000年は、そんなに進んでない。

1970年に、もう一回戻るのですが
こっちは、タイムマシーンを使います
1970年に戻った、彼は、自分の人生を修正し、また、2000年に戻ってくるという話しでした。

おもしろかったです。

ページ数 338
読書時間 7時間
読了日 4/3

<読了> #夏への扉 #R・A・ハイライン
1970年から2000年まで、冷凍睡眠で時間旅行した発明家の男の物語
この近未来は、ロボットがそこら中にいて、風邪が撲滅している世界
作者の想像力はたくましい
かなり、今と違いますね。
再度、1970年に戻り、人生を修正するという傑作

— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年4月3日 >




【中古】 夏への扉 ハヤカワ文庫SF345/ロバート・A.ハインライン(著者),福島正実(著者) 【中古】afb
【中古】 夏への扉 ハヤカワ文庫SF345/ロバート・A.ハインライン(著者),福島正実(著者) 【中古】afb


読んだ本の数:14
読んだページ数:4127


トリツカレ男トリツカレ男の感想
童話のような雰囲気なのがいい。もっと、この世界観の中で漂っていたかった。でも、サクサク読めてしまうので、気がつくと終わっていた残念。とても優しい物語。ラブストーリーだ。トリツカレ男とは、歌や三段跳びや探偵という何かにトリツカレて、それに夢中になり世界記録まで出すほどにのめり込む凄い男。彼がトリツカレたのは美しい娘。彼女を幸せにしようと、死んだ彼女の婚約者に、逆に、乗っ取られたり、病気になったりと凄い展開なんだ。おもしろかったよ。
読了日:03月02日 著者:いしい しんじ


これからの本の話をしようこれからの本の話をしようの感想
1992年から、電子書籍事業に従事しているパイオニアの語る、本、電子書籍の可能性はなかなか深いものがありました。彼は、その前はレーザーディスク、映画などの仕事もしており、過去の苦労話しもためになりました。問題は、話題が飛ぶのでついていくのが難しく。好き放題に語っているというところです。もっと、わかりやすく説明しなきゃ。読者のことを考えて欲しかった。内容はいいです。電子書籍の歴史が、ざっと見渡せます。
読了日:03月05日 著者:萩野 正昭

金色機械金色機械の感想
本推理作家協会賞受賞作品。江戸時代をベースにしたファンタジー。 この機械人間は、スターウォーズのC3POと似ています。少しです。相手の敵意や殺意が見えてしまう熊五郎。手をかざすだけで相手を殺すことのできる遥香。この三者が入り乱れ、山の奥に隠れ住む鬼御殿の奴らと関わっていくという、復讐。探偵ミステリー。何か不思議な話しでした。とにかく、おもしろい。気がつくと夢中になっていました。エンタメ娯楽作品です。
読了日:03月08日 著者:恒川 光太郎

フェルメール 隠された次元 (翼の王国books)フェルメール 隠された次元 (翼の王国books)の感想
生物学者のフェルメール愛があふれた本でした。真珠の首飾りの少女のモデルが、フェルメールの長女で、彼女は父親の助手をしていたという仮説まであるそうです。あの振り返った時に見せるおびえた視線の意味もわかりました。福岡先生は、絵画の中の楽譜を分析し画像処理し当時の音楽を研究し再現までしました。さらに、当時の絵の色合いなどを復元するリ・クリエイト作品まで世に出しました。どれだけフェルメールが好きやねんというディープな美術と生物学の話しでした。
読了日:03月09日 著者:福岡伸一

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。(新装版)母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。(新装版)の感想
マザコンのおっさんが、お母さんの死を受け入れなくて、すごく葛藤する。その愛情は、よくわかった。遺骨を食べたいという気持ち、よくわかる。それくらい愛していたということだ。僕は、そこまで誰かを愛せるとは思えないので、これはとても驚くのです。しかし、その気持ちもわかります。漫画ですが、純文学作品みたいに心の中に押し入ってくる。 
読了日:03月10日 著者:宮川 サトシ

暗殺日和はタロットで暗殺日和はタロットでの感想
4年ぶりに目を覚ましたピアニスト、タロット占いが趣味の暗殺者。加害者の娘の高校生、ヤクザの部下のヤバそうな女、チャイニーズマフィア。父親が死に、彼女の周囲は物騒になる。まるで、漫画のようにコロコロと転がっていくストーリーに、ほとんどニュートラル状態で魂を浮遊させている自分がいた。色々と、本当は突っ込みどころ満載なのですが、気が付くとページをめくっていて、次は、次はと・・・。ラストまで、彼女を狙った人間がわからずというのもいいね。
読了日:03月11日 著者:古川 春秋

([ま]9-1)僕はかぐや姫/至高聖所 (ポプラ文庫)([ま]9-1)僕はかぐや姫/至高聖所 (ポプラ文庫)の感想
百合要素ありの2作品。1992年に出た復興版。1つは、芥川賞受賞作。もう1つは、三島由紀夫賞。贅沢なラインナップだった。設定が昭和だと思うが、主人公の少女たちの感覚は、今とさほど変わりません。アイデンティティの喪失に対する危機感というか、青春の一コマというか、細部にわかって、よく内面まで深堀りされている秀作でした。「僕はかぐや姫」の方が、好みでモチーフは深かった。両作品とも当たりです。
読了日:03月13日 著者:松村 栄子

狼の群れはなぜ真剣に遊ぶのか狼の群れはなぜ真剣に遊ぶのかの感想
狼大好きの狼の専門家の女性が、実際に観察した狼の姿を通して感じたこと、思ったこと。狼という生き物を解説した優れた本でした。狼が、人間とさほど変わらない感性を持っていることもわかった。夫婦愛。家族へのいたわり。組織のリーダーを決めるときの合理性。そして、旧友であるカラスとの関係性。たくさんのかわいい狼の写真があって、それを見ていると以前の悪の化身のようなイメージが吹き飛んだ。
読了日:03月15日 著者:エリ・H・ラディンガー

ことのはロジック (講談社タイガ)ことのはロジック (講談社タイガ)の感想
元書道の天才と外国人の美少女というコンビが、言葉にまつわる事件を解決していくミステリー短編集。自分の思いのたけを言葉に託したい。彼が、屋上に描いた言葉は、なるほどと納得。しかし。夏目漱石が、I LOVE YOU を「月が綺麗ですね」と訳した。あの優れたセンスの足元にも及ばない。単純に事件を解決するという形ではなく、ラストにどんでん返しを用意している。もう一回、もう一回、もう一回という形で攻め込んでくる。なかなかおもしろい。
読了日:03月16日 著者:皆藤 黒助

ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)の感想
 いつも、この手の本は、神話のあらすじが固くて、すんなりと入っていかないのだけど、これは違った。物語に、きちんとキャラがついていて、物語の動きがリアルだ。さすが、作家の書いた入門書だけある。  阿刀田さんは、ギリシャの神々は人間的だと言っていたが、まさしく、その通り。男女差別しているし、女の人をモノのように扱うのは、現代のおじさんたちのようで鼻についた。知らないことが、たくさんあり、これを読んで知り、再確認した。とても面白かった。 
読了日:03月18日 著者:阿刀田 高

東京の子東京の子の感想
東京オリンピックから3年後の近未来社会。前に読んだ、オービタル・クラウドも近未来だった気がする。これが藤井流?。少子化で、移民が増える社会。日本は景気後退し、東京オリンピックの跡地に東京デュアルって、働きながら学べる大学があって、そこでは学費、寮費、食費も学校が貸してくれる。奨学金だね。ただし、協賛企業に入社したら借金が半分になるという。それを人身売買だってことだと作者はとらえた。いつも思うけど、藤井さんは頭がいい。設定がおもしろい。満足しました。
読了日:03月20日 著者:藤井 太洋

斎藤一人 日々の幸福論: 型破りで温かい49の問答集斎藤一人 日々の幸福論: 型破りで温かい49の問答集の感想
優しい言葉の応酬で、とても癒された。超ポジティブな人だから成功したのだと思う。49の質問に答える形式で、幸せになる方法を伝えている。結論は、ポジティブ思考なんだけど、わかっていてもできない。だから、僕は斎藤一人さんの本を読む。成功者だから、やはり言葉にも重みがある。とても良い読書時間になりました。
読了日:03月22日 著者:鈴木 達矢

円卓 (文春文庫)円卓 (文春文庫)の感想
眼帯をしている女の子に憧れて、自分も真似をする9歳の女の子琴子。彼女は公団に、祖父母、両親、中学生の3つ子の美人の姉の8人家族で暮す。皆から、かわいがられている。母親が妊娠、引っ越しか。バランスが崩壊する。顔を踏んでくれと言ってくるきもいおっさんの登場、そこで琴子は一瞬、精神崩壊し、うさぎを自分の顔の上に置くという奇行を行う。思春期の少女の不思議な感覚を再現していて、胸にずしっとくるものがあった。子供のころには持っていたが、今はない感覚が蘇ってくる。 
読了日:03月24日 著者:西 加奈子

とっぴんぱらりの風太郎とっぴんぱらりの風太郎の感想
 読むのに一週間もかかった。だが、面白かった。もう一度、このままの勢いで最初から、この世界に浸りたい気分だ。ラストの炎上する大阪城への侵入。仲間の忍びの者たちとの友情。そして、豊臣秀頼との熱い感情。宿敵である残菊たち徳川方の忍び軍団との死闘。最後の最後まで目が離せなかった。良く出来たエンタメ小説だと思う。 http://muto.doorblog.jp/
読了日:03月31日 著者:万城目 学


今月もたくさん読みました。
14冊です。
傾向としては、雑学系の専門書を5冊も読んでいることでしょうか。
いつものように3冊のおすすめ本を・・・
全部小説です。

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・円卓 (西 加奈子)
・僕はかぐや姫/至高聖所(松村 栄子)
トリツカレ男(いしい しんじ)





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【中古】円卓 /文藝春秋/西加奈子 (単行本)
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僕はかぐや姫 / 至高聖所 ポプラ文庫 / 松村栄子 【文庫】
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