読んだ本の数:10
読んだページ数:3862
夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)の感想
1970年というと今から50年前なのだが、ここに描かれている世界は、そんなに古くは感じない。30年後の2000年までタイムリークするのである。この未来は、ロボットが活躍する世界で、この元になったのは、主人公の技術者の技術だった。そのすべてを、彼は元婚約者と親友に奪い取られてしまう。再度、1970年に戻り人生を再修正する。そういう物語なのです。2000年は、約20年前の過去であるのだが、風邪が撲滅しているとか、すごいことになっている。
読了日:04月03日 著者:ロバート・A. ハインライン
帰去来の感想
殺されかけた女刑事が、パラレルワールドで警視に出世している。会社員だった元彼が部下だったり、父親が別人だったり、今までの世界とは違う。戦後なのだ。闇市だってある。前の世界と、飛んできた世界に共通する犯人。後半は、出生の秘密。複雑な人間関係が、怒濤のような凄まじい展開で明らかになっていく。アクションあり、謎解きあり、描かれている人物は濃厚。読みごたえのあるsfだった。
読了日:04月06日 著者:大沢 在昌
黄泉がえり again (新潮文庫)の感想
あの名作「黄泉がえり」から17年後が描かれている。熊本地震の後の世界が舞台だ。蘇える人は、切実に、その人を大切だという熱い思いにこたえるのだと思う。だから、前作でも今作でも、蘇えった人たちは生命を投げ出して愛する者たちを救おうとする。その熱い思いは、作者の熊本復興の思いと重なり合い、とても読後感が良いのだ。今回、熊本城を建設した加藤清正、恐竜なども復活し、エンタメ小説としても楽しめる内容となっている。
読了日:04月10日 著者:梶尾 真治
山海記の感想
<読了>#山海記 #佐伯一麦 少し辛い読書時間になってしまった。 奈良の十津川村の水害の跡を訪ねるバス旅 そこに、東北震災の悲しい記憶を重ね合わせ さらに、地誌のような歴史やそういうのを入っていく 肩が凝る話しだった。 読む本の選択を間違えたかな。
読了日:04月11日 著者:佐伯 一麦
伏 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)の感想
犬人間というものが、江戸の街にいたそうな。それを狙う賞金稼ぎの猟師の女の子浜路という十四の少女が主人公。軽い兄思いのアクティブな女の子です。だからなのか、少し物語も軽く飛んでいきそうなのです。里見八犬伝の贋作である贋作里見八犬伝という物語が、この浜路の物語の中に、二重構造のように入り込んでいるのが、この物語の見どころ。本家の里見八犬伝よりも、こちらの方が現代人には好感を持って受け入れられるのではないでしょうか。楽しめました。合格です。
読了日:04月14日 著者:桜庭 一樹
想いであずかり処 にじや質店 (ポプラ文庫 か)の感想
満月にだけ開業するという<にじや質店> そこでは、願い事を叶えてくれる。 その代わり、大切な何かを利息として渡さなければならない。 たいていは、それは渡していいものなのだ。 こういう ドラえもんのポケットみたいな不思議な店が、実際にあると、たぶん、たくさんの人が幸せになるんだろうなと思う。 どれも優しくていい短編ばかりだった。
読了日:04月16日 著者:片島 麦子
和菓子のアン (光文社文庫)の感想
デパ地下の和菓子屋でバイトをする、少しぽっちゃり系だけど、かわいい女子が主人公です。読んでいるうちに、むしょうにデパ地下の和菓子コーナーに行きたくなる。和菓子を買いたくなる。そういう作品でした。主人公の成長物語というのが基本で、そこにミステリー要素も加わって、とても面白い感じになっております。店員のキャラが濃いのが良いですね。とても魅力的です。和菓子好きにおすすめの作品であります。
読了日:04月19日 著者:坂木 司
ヒア・カムズ・ザ・サン (講談社文庫)の感想
芝居にもなっているらしい。同じ設定で、2つの話し。読後感は、まったく違った。パラレル世界の方が、こっちが芝居の方らしいが、しっくりきた。もう1つの方は、よく作り込んでいたが、ミステリーみたいな気がした。感情の琴線に触れてくるのは、パラレルの方だ。 モノに触れると、そこから、そのモノから発する感情が伝わってくるという話しなのですが、それがパラレルの方は効いていた。もう1つの方は、あまり作用してなかった気がする。実験的な作風だが、SF好きなら楽しめると思います。
読了日:04月21日 著者:有川 浩
キノの旅〈11〉the Beautiful World (電撃文庫)の感想
不思議な国を旅する話しです。短編集。今回は、「アジン(略)の国」「道の話」「戦う人達の話」が面白かった。 まるで、落語の寿限無のような長い名前の国。ラストには、その国の名前がわかり、その国が、どのような歴史を抱えているのかがわかるのでした。「道の話」は、何代にもわたって道を作っている集団の話し。その意図は、かなり暗黒。「戦う人達の話」は、アクション系で、良く出来ている。
読了日:04月24日 著者:時雨沢 恵一
夜のピクニック (新潮文庫)の感想
24時間歩く、そういう歩行祭という高校の行事の話しだ。 これは名作だった。優れた青春小説だった。歩くという行為の中に、話すという行為が含まれていて、その中に内省する。考えるという行為も含まれていて、気づくと主人公の一人である高校生に自分が感情移入していた。あまりにも単純で、なのに、そこに色んな思いがあって、高校生の複雑な心の内が表現されていた。いい作品です。
読了日:04月30日 著者:恩田 陸
2019年 4月 おすすめ本
・夜のピクニック 恩田陸
・夏への扉 ロバート・A. ハインライン
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【中古】 夏への扉 講談社ルビー・ブックス20/ロバート・A.ハインライン(著者) 【中古】afb
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