展開は奇抜で楽しめたが、それはエンタメとしてだった。
 これは純文学だから、メッセージがあると思うのだが、不良から饂飩屋になった課程?
    正直に言うと、よくわからない。

 いきなり、月光仮面風の正義の味方の右翼の新聞配達の老人が登場するが、すぐに、フェイドアウトしていく。そこで混乱させられた。視点を変えられると読者は混乱する。
 次に、元不良でUDON屋のウキタが登場。
 友達の冬木が出てくると、完全に物語に引き込まれていた。
 冬木の父親は、伊東四朗に似ていて、女装して女性を犯そうとして、言うことを聞かない女性たちを殺しまくる殺人鬼だ。
 2000万の遺産が冬木に転がり込んでくる。で、家を買うことになるが、その不動産屋の女をみんなで回そうとする。その顛末を冬木は妻に話した。さらに、その2000万も精神に問題があった母親の嘘と判明。妻は子供を連れて出ていく。読んでいる時はおもしろかった。だが、冷静になると何のこっちゃかわかんない。

 刑務所にいた冬木の父親に面会に行く。
 その時、死について話しをする。

 死ぬのって、歯に障るのよ。知って、冷たいラザーニャみたいなもの。芯まで固くって、齧れたもんじゃない。そして、命は温かいスープ・・・

 って言葉を残して死んでしまう。
 この言葉に、ウキタはとらわれるが、その父親は、最初に出てきた正義の男に殺されてしまう。
 
 ラストで、この言葉が歌の引用だとわかる。
 冷たいラザニア、かちかちに凍ったままの・・・

 人生って、何か意味があるようでいて、本当は、たいして意味なくねぇか?
   そういうことなのかな。


読書時間 4時間
読了日 3/23