それが、いつしか特別なことになり、ありえない奇跡を引き寄せるのだった。
【中古】夜のピクニック / 恩田陸
<読了> #黄泉がえりagain #梶尾真治
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年4月9日
あの名作の続編
今回は、加藤清正や恐竜が蘇る
切実に、その人を思う願いが、その現象を引き起こす
蘇った人たちは、スーパー台風の被害から
愛する人たちを守るために再び生命を投げ出すのだった
そこに熊本地震からの復興の願いが重なっているように思う pic.twitter.com/VbiRy1yaTU
<読了> #帰去来 #大沢在昌
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年4月6日
一気に読ませるだけの筆力がある魅力的な物語でした。
パラレルワールドの戦後を彷彿させるような闇市のある世界と、飛ばされる前の世界の事件が繋がっていて、後半どんどん種明かしされていく怒濤の展開でした。人物が魅力的です。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/hi1WTh9YvO
<読了> #夏への扉 #R・A・ハイライン
1970年から2000年まで、冷凍睡眠で時間旅行した発明家の男の物語
この近未来は、ロボットがそこら中にいて、風邪が撲滅している世界
作者の想像力はたくましい
かなり、今と違いますね。
再度、1970年に戻り、人生を修正するという傑作
<読了> #円卓 #西加奈子
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月24日
9才の思春期になりかけの少女の心情に寄り添った
優しい物語だった
大家族に甘やかされて育った少女
母親が妊娠、引っ越し?
色んなことが彼女を追い詰めていく
兎を顔の上にのせるという奇行
その先にやってくる優しい展開
いい話しだった。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/HwkUF4XLQD
自分を愛して他人も愛します。
優しさと笑顔をたやさず
人の悪口は決していいません
長所を褒めるようにつとめます
<読了> #日々の幸福論 #鈴木達也
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月22日
斎藤一人さんが、49の質問に答える形で、幸福について語っていました。
印象に残った言葉を・・
「一番大事なことは、問題が解決するまで、諦めちゃダメってこと」
勇気づけられます。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/E84THElQ0Y
<読了> #東京の子 #藤井太洋
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月20日
経済的に衰退した日本では、労働者不足が深刻となり移民を雇う
オリンピック跡地にできた大学では、学費も生活費も家も借りられ、働きながら学校に通える。だが、それは借金であり自由を奪うことでもある。
近未来の予測?https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/THLt7A5TuS
パンドラの壷から飛び散ったものは、病気、悪意、戦争、嫉妬、災害、暴力など、ありとあらゆる【悪】でした。P148
ただ1つ、かろうじて【希望】だけが残った
<読了> #ギリシア神話を知っていますか? #阿刀田高
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月18日
作家の書いた神話の粗筋なので、キャラ設定がしっかりしていてリアルだ。
解説もわかりやすい。
初心者に優しい入門書だと思いました。
にしても、神々がエロ男爵すぎる。人妻や他人の恋人に手を出すなんてクズだhttps://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/iruwf81Ayf
夏目漱石の訳した I LOVE YOU の訳である「月が綺麗ですね」が最も好きな日本語であると・・・
<読了> #ことのはロジック #皆藤黒助
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月16日
4つの言葉にこだわったミステリー短編集。
外国人の超美人アキと、元書道の達人の男子生徒のコンビが謎に挑む。
ラストの、I LOVE YOU の自分なりの表現
屋上に描いた文字は、なかなか興味深かった。
高校生に、こんな告白できるの?https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/mHOOB2YbDr
狼の親は、外に対して一致した行動をとるP28
リーダーの地位と攻撃性は関係がない。たえず威張ったり挑発したりするリーダーは、権力の喪失を恐れているためであり、リーダーに相応しい人格ではないP45
カラスは、狼にとって警報装置であり、いっしょにエサをつつく邪魔者である。カラスは狼の糞を食べる。大人の狼の糞には、消化されずに排泄された骨や毛が含まれている`122
自制と役割交代を通して、どのような態度ならほかのメンバーに許容されるか、どうやって紛争を解決するか、といったことを学んでいくP156
狼は家族がいなくなると悲しむ。誰かが死んだり姿を消したりすると、困惑して捜索をする。・・・嘆きを込めて遠吠えを繰り返す。でも、やがて振り払い、立ち上がって、それまでの生活の営みを続ける。生活のリズムに従って、・・・自然界のあらゆる生物がするように、今、ここに生きていることを祝う。この能力を失ったのは、人間だけではないだろうか。・・・、もっと、現在を生きればいいのにP175
<読了>#狼の群れはなぜ真剣に遊ぶのか #エリ・H・ラディンガー
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月15日
写真がたくさんあり、かわいい狼がいっぱい。
悪役だった狼が、犬のように親しい存在となった。
残酷に他の獣たちを狩猟する姿をも、生きる為だと思うと当然に思えてくる。
狼の認識を変える本だった。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/b4Ah4XF1sw
ぼくに与えられた
ぼくの日を
ぼくが生きるのを
ぼくは拒む
「誰も彼も己の座席の1センチ外にも関心がないほど傲慢で、また、自分は他人を非難できる者ではないと思うほど謙虚」
「買う前に、その本を読んだけど」と彼は言った。
「かぐや姫って、結局、男のものになんないのな」
<読了>#僕はかぐや姫 #松村栄子
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月13日
1つは、芥川賞。1つは三島由紀夫賞。
という2つのに作品。
いずれも魅力的な作品。
若い女性の不安定な感覚をうまくキャッチしていて
この胸のモヤモヤは何なのかってhttps://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/JAWRX7eEEj
<読了>#暗殺日和はタロットで #古川春秋
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月11日
タロット占いが趣味のスナイパー。
4年ぶりに目覚めた天才ピアニストの殺害を依頼される。
謎の依頼人、目的は何?。
彼女の父親の死。ヤクザ、チャイニーズマフィア、女子高生
誘拐、映画のような冒険活劇。ラストまで目が離せないhttps://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/qJgYKi39UG
<読了> #フェルメール隠された次元 #福岡伸一
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月9日
生物学者の福岡先生のフェルメール愛が溢れる本でした。
全37作品のリ・クリエイト作品(写真)は嬉しい。
解説を読みながら、この光がどうたらと、絵を見て
「なるほど、なるほど」と関心しました
フェルメールファン必見https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/UBB8uW9ewb
<読了> #金色機械 #恒川光太郎
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月8日
ページをめくる手がとまらなかった。
金色の機械はとても強い。
熊五郎は人の殺意を読み取る。
遙香は手をかざすだけで人を殺せる。
犯人は誰?。
お江戸ファンタジー。なかなか良い。😃😊🤪https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/c1UDXnu0ju
このように見ていくと、小津映画の典型的なラストシーンはシークエンスを見ていくと、代表作の終わりは意図的にあるパターンを持っていた。となります。
<読了> #これからの本の話しをしよう #荻野正昭
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月5日
最初のころからの電子書籍の歴史が、ざっとわかり、本のこれからの可能性のようなものも見えてきました。
とても興味深い内容だったのですが、話しが途中で飛んで少しわかりずらい所もありました。
https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/DT7WA9TWxf
<読了> #宝くじ #中山咲月 次のターンでは、たぶん、芥川賞候補になるのではないかと、この作品を最大級の賛辞で褒めたいと思います。
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月3日
とにかく、すごい。
若い母親の葛藤が生々しかった。母親だって、人間で子供の為だけに生きてなんかいない。男も欲しい。楽しくいきたいhttps://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/aNzTNbQOuj
<読了> #トリツカレ男 #いしいしんじ
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月2日
歌、三段跳び、探偵・・・、何かにとりつかれ、夢中になる男。世界記録まで出してしまう。
彼がとりつかれたのは美少女、彼女のために一生懸命頑張る。
しゃべるネズミ、彼にとりつく先生。すごい展開。おもしろい。
童話のよう。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/hw05K2W9rS
<読了> #森があふれる #彩瀬まる
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年3月1日
奥さんが、だんだん木になっていき、森に。
どうも、これは男女について描いているようだ。
男女差別は、増殖するというイメージ。
ラストに明かされる妻の不満で、それが微かに見えてくるが・・・
視線の転移が多く、わかりずらかった。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/CACvhCMaij
発酵人類学とは何か?。
発酵を通して、人類の謎をひも解くことだそうです。
ヨーグルトは、菌のゴミを人間が引き取ってリサイクルしている。
微生物にとっての「ゴミ」が人間にとっての「宝物」となる。
はい、ここ注目、これが発酵の要諦ですよ。
人間と微生物という異なる生物が、地球における物質循環という巨大なマーケットで、「取引」をする。人間は乳酸菌の為に牛乳のプールを用意する。乳酸菌は、そこで乳酸を生産する。その結果が「ヨーグルト」という発酵食品として結実する。
<読了>#発酵文化人類学 #小倉ヒラク
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年2月28日
これは、すごくおもしろかった。
切り口もそうだが、このミクロな世界の不思議。
ビール、酒、ワイン。
「もやしもん」の世界を理論的に説明。
これはおすすめです。 pic.twitter.com/76JA6yuCDZ
<読了>#京都九条のあやかし探偵 #志木謙介
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年2月26日
ライトノベルだとか、設定が幼稚だとか馬鹿にしてはいけません。
きちんと、丁寧に人間の内面まで描かれた、あやかしミステリーでした。完成度は高く。なるほどというオチもありました。
続編が出たら必ず買って読むと断言できますhttps://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/gohky6Q4fV
次の相手が決まるまで、この試合の日の記憶と、いまビデオを見ていた真夜中の記憶の中間で生きる。それ以外の人生はない。減量よりなによりも、実際、これが一番きつい
お前は勝ちたいのか?。きれいなボクシングにしがみつきたいのか?
おれのボクシング人生を、いったん止めたかった。ビデオのストップボタンみたいにな。それがお前だ
空腹は心の飢餓だ。からだは痛むだけだけど、たらふく食っているであろう他人を妬み、気をつかわれて、どうしようもなく情けなく、申し訳のない好悪の感情が入り混じって内に内に閉じていく
<読了>#1R1分34秒 #町屋良平
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年2月24日
160回芥川賞受賞作品
ボクシングの話し。身体の動きを文章化する技術が三島由紀夫さんのように激しいのでびっくりした。ぐだぐだの内面も、よく描写されていた。減量もリアルだ。ラストは、少し不満だが、さずがだと思った。納得の受賞作品。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/jm0poiSeCH
空想は、どんな時でもどんな場所でもすることができて便利だけど、それをいっしょに信じてくれる人がいないと、こわれやすいものなんだ。
物語は2種類しかないのん。おもしろいか、おもしろくないかだけ。新しいか、古いかはあんまり関係ないよ
本は、すかっとするのがいいの?。そりゃそうでしょう
言葉じゃない絵の感想を言葉で伝えようとするから難しいんだ
「じゃ、本って何歳でも読めるの?」
「内容の難しいのはダメだろうけど・・・、ちょっと難しい本でも興味がわけば読めるよ。筋を追うだけで面白い本もあるからな。読めそうなら、言葉や内容が難しくてもチャレンジしたらいいよ。そういう本は、大きくなってから読み返したら、子供のころには気づかなかった意味がわかってきて、二度おもしろいこともある
ぼくは、いろんな気持ちを誰かに話したいと思った
ぼくは、本を開かないでじっと見ていた。
この中には、どんな主人公がいるのだろう?。
そうか、本の中って、まだ、知らない世界なんだ、本が、僕をそこへ連れていってくれる。「小公女」なら100年前のイギリス。「あしながおじさん」なら100年前のアメリカ。それって、すごい。
・・・・・、 僕は、 一人で本を読んで一人で考える。
そうか、だから、僕はそうして考えたことを、誰かに話したくなるんだ。カズサと感想を言い合いたい気持ちになるんだ
<読了>#ぼくは本を読んでいる。 #ひこ・田中
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年2月23日
子供が読書に目覚める瞬間を描いた優しい物語。
僕のそうだったが、それは親の本棚から発生する。
彼が出会った本は、小公女、あしながおじさん。
子供たちの大好きなお話たち。
読後感が良かった。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/LgHryWWuwN
いきなり、サリンジャーの「ライ麦畑・・・」のパクリから開始する。
ここで、読者は、この主人公をホールディン少年に重ねてしまうかもしれないが、同じ自意識過剰でも、こちらは、ぶっ飛んでいる。
主人公の僕には、水尾さんという恋人が一年前にいた。
今は、その彼女のストーカーをしている。
いきなり、ヤバい展開となる。小芝居までやり始める確信犯だ。
ただし、自分では、それを研究と称している。悪いと感じていない。
だが、遠藤という男に、その行為を咎められ「警察に言う」と言われ、ひびり、愛車まなみ号を放置し逃げてしまう。
ちなみに、この文庫の解説を書いているのは、女優の本上まなみさんだ。
これは出版社の陰謀に違いない。
この遠藤は水尾さんとは無関係であったと後に判明する。
僕と同じストーカーなのである。
そして、僕を尾行までしている。その事実を告げ、彼に恫喝を加えると、報復として、部屋をテープでグルグルされてしまった。
その仕返しに「ゴキブリ」を綺麗にラッピングしリボンをつけて、氷尾という名前まで付けて遠藤に送る。水尾ではない。嘘は嫌いなので、氷尾とした。彼には、こういう美学がある。
そして、今度は家に水尾さんからのプレセントが・・・。
開けると、ぎゃーーー、ゴキブリだーーー。
即、 殺処分、とんこつで溺死なのであります。
まぁ、こんな感じの阿呆な物語である。
失恋した大学生のモヤモヤが、不思議な感覚で語られています。
夢なのか、現なのか。よくわからない物語です。
これを、あの独特の畳みかけてくるような森見節で一人称で語りかけられているうちに、気がつくと僕に感情移入してしまうという恐ろしい仕掛け付きである。物語の進行とともに、「ライ麦畑・・・」と同じような切なさや哀愁まで漂ってくるのだから不思議だ。どうして、そんな気持ちになるのかわからないが、気がつくと、そんな風になってしまうんだ。
クリスマスを謳歌する若者に対する悋気が凄まじい。
「おのれ、キリストの聖なる誕生日にラブホテルにしけこみ・・・」てな具合に怒り心頭。仲間と連れ立って、とんでもない計画を考える。
江戸時代の末期に流行った「ええじゃないか」をカップルで賑わう京都の中心である四条河原町で展開し騒動まで起こすのだ。街は、パニックとなる。すべて、これは、もてない男のリビード―の爆発衝動だ。つまり、八つ当たり。街中で「ええじゃないか」を踊りまくり、お道化まくり、おもしろいことをしまくる。周囲を巻き込んでいき、「ええじゃないか」のムーブメントを引き起こす。本当に救いようのない阿呆たちなのだ。挙句の果てに自分は間違っていない、この世界がおかしいと言わんばかりに自己正当化。失恋大学生なんて、そんなものなのはわかるが、迷惑な話しである。
その群衆の中、水尾さんと遠藤が・・・。
必死になって追いかけるが見失ってしまう。
このシーンが切ない。悲しい。
思いっきり笑えます。でも、最後は少し切なくなります。結局、彼女が去った理由もわからないし、彼は空回りしているだけなのです。
何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。
そして、まぁ、私も間違っている
この錯覚こそが、青春と言えよう。
ページ数:237
読書時間 5時間
読了日 2/21
太陽の塔 (新潮文庫) [ 森見登美彦 ]
<読了> #太陽の塔 #森見登美彦
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年2月21日
読み終わっても、クスクス笑いが止まらない。
この本は、そういう本です。
理不尽な失恋を原動力に、ストーカー。そして、クリスマスのイベント阻止と嫉妬心にかられて暴走していく。そのぶっ飛び具合が面白い
おすすめです。ゴキブリが出ますhttps://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/HgG8H7a3xu
<読了> #博士の愛した数式 #小川洋子
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年2月19日
この物語には数学の魅力と、人の魅力が閉じ込められていた。
数式のように美しい人の心。交流。いいなぁ、僕も√になりたいよ。
これは、おすすめです。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/tkL0CXkcyg
「それって小説みたいじゃないか。僕たちが、こうして、ちゃんと存在することを担保するために、我々は言葉の並べ替えを続ける。意識や思考もまた、脳を駆け巡る電波信号に過ぎず、通り過ぎてしまえば、それがあったことすら、夢か幻みたいだ・・・」
「どうせもうほとんどの人はこの世界がどうやって運営されているかなんて、知らないし興味だってないんだから。誰かとても頭の良い人が仕組みを作ってくれて、それにのっかっていけばいいんだってのが経験則。それ以上のことを考えるのには1つ1つのパーツが難しくなりすぎている。・・・・」
「個であることをやめた?」「・・・生産性を最大に高めるために、彼らは個をほどき、どろどろと1つに溶けあってしまった。個をほどいてしまえば、1人ひとりのことを顧みずに、全体のことだけを考えればいいからね・・・」
できることが、どんどん増えていって、やがて、やるべきこともなくなって、僕たちは全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という回答を残して・・・。読後感は、あまりよろしくないが、技術の進歩やら、それから取り残されていく人間の運命やら・・・
「それともまさか君、自分が取り換え不能だとでも思っているの?。
<読了>#ニムロッド #上田岳弘
— 武藤吐夢@読書などなど・・・ (@m181981) 2019年2月17日
仮想通貨の仕事、バベルの塔、堕胎した恋人、ダメな飛行機、近未来小説。
人間の繁栄とは?。人間の存在とは?。どうして、ここまで悲観的に、難解に、この小説をするのか?。ため息しかでない。だが、芥川賞には納得。深い。https://t.co/YUt8E1mZns pic.twitter.com/QQZIrzccrh
わたしのふるさとは、ひとつところに落ち着いたことがない。二年に一度は村ぐるみでの「村うつり」がある。P8
鳥の声に導かれて移動を繰り返し、異国、さらに異界とすら繋がる故郷。
大学生のころ、僕は塾で講師のバイトをしていた。
二階に控室があり、文系は右側。理系は左側に席が用意されていた。
僕は、国語を教えていたので右側に。
一番、右の席にいつも、一人のちっこい女性がいた。
その人は、京都大学の学生で英語の担当だった。
いつも独りぼっちで、孤独と結婚でもしているかのようだった。
誰かが話しかけても「ちわっ」と挨拶を返すだけ、顔も上げない。
いつも、その端っこの席で、本と睨めっこしていた。
右斜め45度の角度からの彼女の横顔は綺麗で
気がつくと、そこに視線がいってた
何を読んでいるのか気になっていたけど聞ける雰囲気ではない
彼女の周囲には、見えない壁ができていた。
文系の連中は、私立大の人間ばかりでつるみ
態度のでかい京大生が嫌いだった。
中でも、彼女は、特にお高くとまっていたので、皆に避けられていた。
理系の連中は、大半が京都大学の学生で、こっちもこっちで群れていた
彼女は、どうしてか、自分の大学の人たちとは近づきもしないんだ。
いつも同じ場所で本を読む、授業をして気がつくと消えていた。
その繰り返しだった。
そういう人だった。
1月ごろだと思う。インフルエンザで、社員の国語の講師の人が土日休んだ。
金曜の夜に、いきなり、「悪いけど、土日の代理頼むわ」と塾長に押し付けられた。
土曜、行ってみると控室に彼女がいて、すごく嬉しかった。
クラスは2つ。講師は3人で、授業とテストをやるという形式。
つまり、講師が一人待機になる。
僕が待機の時間、目の前に、彼女の本が。
何を読んでいるのか、すごく気になった。
ブックカバーがしてあったが、開けてやった。
彼女は授業中だ。かまいはしない。
これだった。
村上春樹のでなく、昔の白水社から出ている、こっちだ。
それもボロボロ。
例えるなら、公園に忘れてしまい。そのうち、雨が降り、犬が地面に落とし地面を引きずった。
そういうボロボロ。
30回くらい読んでるのではないかというボロボロさ。
線が引いてあった。
今回、再読し、その文章を見つけました。
その部分を引用します。
「悲しい別れでも、嫌な別れでも、そんなことはどうだっていいんだ。どこかを去っていくときには、いま自分は去っていくんだってことを、はっきり意識して去りたいんだな。そうでないと、なおさら気分がよくないものだぜ」P10
ホールディンが退校するのに、みんなが、そのことを無視する。そんな時に出たセリフです。
必死に強がっている、そこが、ちょっと切ない。
ちなみに、僕は、このセリフが好きです。
P177「金の野郎め!。いつだって、しまいには、必ずひとを憂鬱にさせやがる」
こっちは、ホールディンらしさが出ています。
今回、映画化すると聞き、あえて白水社の方を選び再読しました。
正直に言います。「これはすごい・・・」と思いました。
以下、本の感想・・・。
高校生のホールディンは成績不良で退校となることになった。
世話になったスペンサー先生に、お別れの挨拶に行きます。
彼が、欲していたのは共感。何も言わず抱きしめて欲しかった。
だが、先生は、これが最後だ。何かしてやらねばと説教を始める。
そして、最後に「幸運を祈るよ」なんてインチキ臭い言葉を吐く。
この瞬間、僕も彼になったような気分になった。
何もわかっちゃいない。馬鹿野郎。彼の悪態が、僕の胸にも降臨してきました。
本当は、そんなことを1ミリも思っていないくせに、大人は平気で嘘をつく。
だから、彼は怒りという弾丸を機関銃に装てんし、そこら中に撃ちまくる。
寮に戻ると、同室のイケ面から宿題を頼まれる。デートなんだそうだ。
相手が悪い。ホールディンの家の隣の女の子。好きだった子。
それでも、宿題をやってやる。でも、帰ってきたルームメイトは、その女の子をコーチから借りた車で・・・。
頭にくる。せっかくしてやった宿題にまで文句をつけられる。
怒り狂い挑みかかるが、逆にやられてしまい鼻血。
この最低野郎、低能に大事な女の子を奪われ、屈辱まで味わい
彼は学校を飛び出す
学校を飛び出す前のシーンと、その後は実は断絶していると思う。
怒りや矛盾や不安を、壊れた充電器のようなホールディンはため込みます
それが、放電という形で悪態となり放出しているのです
それを「大人はわかってくれない」。わかろうともしない。
まだ、明確な行動倫理とか論理的な思考を持たない高校生のホールディンは、周囲の人間に対して毒を吐きまくるのだが、それは漠然とした不安や苛立ちとか、大人の無理解や大人社会のインチキさに対する反抗なのだと思う。
その根拠は、妹のフィービーや、博物館でミイラを探していた子供たちや、教会の関係者らしき教師たちには、その毒舌を封じているからです。
彼が言葉を荒げる時には、そこにインチキや不合理があるからだ。
これは純粋な子供の大人に対する戦争だと思った。
だが、この戦争は、しっぺ返しの連続だ。
孤独な彼は、人恋しさから売春婦を買う。1回5ドルだ。
やってきたのは、若い女。彼は、ただ、話しがしたいだけだった。Hなことはどうでもよい。
だから、金だけ渡して何もせず帰らせた。おしゃべりだけ。
それを大人たちが、どう受け取るかはわからない
売春婦のバックにいる男は、これはカモだと踏んだ。5ドルではなく10ドルだと言い。部屋まで押し入り、暴力的に金をむしり取る。
そして、信頼していた前の学校の先生。
家に泊めて貰うことになるが、夜中に触られる。
信頼していた人間からの裏切り。
いつも、彼を傷つけるのは大人や、無神経な奴らだった。
彼は、いつも誰かを信じたいと思う。繋がりたいと思うが、その気持ちは伝わらない。
好かれる為の努力もせず、ただ、好かれたいと欲するばかり
それでは、いつまでたっても堂々巡りにしかならない
その毒舌は誤解され、嫌われて狂人のように思われる。
世界中の人間が、まるで敵になったみたいに思えてくる。
そんな彼のことを、全面的に許容する愛すべき登場人物がいた。
彼女によって、彼は光明を見出すのだ。それが幼い妹のフィービーだった。
彼が西部かどこかの田舎に逃げようとしているのを、大きな旅行鞄を抱えて「私も行く」と必死に阻止しようとするかわいい妹。
誰かに、全面的に許容されたいという思いが、ホールディンにはあったと思う。
だから、NYの夜の街をさまよって、人とぶつかりボロボロに傷ついた。でも、最後に、妹に体当たりに近い許容を見せられ。世界中の人間が敵になっても自分だけは味方でいるよという意思を示され、彼は踏みとどまったのだと思う。
もちろん、この小説のモチーフは、大人たちのインチキに対する孤軍奮闘である。大人たちの欺瞞に対しての毒舌戦争だ。そして、もう1つ、人間には理解者が必要であるという裏モチーフも存在していると思うんだ。
いい作品だった。たまには、名作と呼ばれるものを再読するのも悪くないようです。
僕の中にも、ホールディンはいるんだと再認識した。
もう、僕の中の彼女は、10年前にこぼした醤油のシミのように
どうでもいい存在なのだけど
孤独に、一人で控室の片隅で
この大人の中に存在するインチキと、必死になって戦っていたホールディンのあの毒舌
孤独な闘いの物語を、ボロボロになるまで読んでいた
そのかつて僕が好きだった、とてもちっちゃな女性を、あの横顔を、この本を読むと思い出さずにはいられないのです。
これが、僕のサリンジャーの思い出。
「沖縄はいつまで翻弄されるの」という言葉が印象に残った。
「沖縄はいつまで翻弄されるの」